不貞行為いわゆる浮気、不倫についてどのような印象をお持ちでしょうか。昨今の芸能人による不貞行為に対する報道で皆様も認識されたことと思いますが、不貞行為自体、夫婦の貞操義務に反する違法な行為として損害賠償請求の対象となります。
さて、皆様が特に興味を持たれている部分は、その金額といったところでしょうか。この金額について、婚姻期間、交際期間、婚姻関係の状況(円満であったのか、破綻していたのかなど)、発覚後の態様(謝罪したのか、交際を継続したのかなど)、不貞行為による影響(婚姻関係が破綻するに至ったのか)といった様々な考慮要素を基に金額が算定されることになります。これらの種々の要素を踏まえた判断になりますが、多くの裁判例は、100万円から300万円の範囲になるかと思います。
もっとも、これは多くの裁判例が判断している金額に過ぎず、特殊な事例、状況があればその金額から大きく乖離することも十分ありえます。その一例として、あくまで特殊な事例における裁判官の判断ではありますが、不貞を行った配偶者が、相応の年収を有する医者で、その収入に鑑み、不貞を行った者が一定の経済的損害を受けないのは妥当でないとの判断から、不貞を行った医者の年収程度の金額を妥当な損害賠償金額と判断したものも存在します。
このような裁判例を踏まえれば、皆様が報道で目にされた芸能人の不貞行為も慰謝料を請求されれば、その収入額からして、莫大な慰謝料を払うことになるかもしれません。
もっとも、そのような特殊な事案ではないにせよ、不貞行為に基づく損害賠償請求では、その主張、対応によっては獲得できる金額、支払う金額が大幅に変わってくることもあろうかと思います。仮に、慰謝料を請求する、請求されることになった場合は、弊所の家事部にご相談いただき、共に対応を考えることができればと考えております。