交通事故における、誤った過失割合への認識
過失割合とは、どちらの当事者が事故に対して負う責任が大きいかを判断する割合です。
私はこれまでにも多くの交通事故案件を担当しておりますが、この割合について誤った認識を持っている方が多いと感じています。「両方の車が動いている場合は過失0はあり得ない」とか、「駐車中の車に追突したら過失100である」とか、保険会社からもこのような説明をされたという方がいらっしゃいます。
しかしこれはどちらも間違いです。
「両方の車が動いていても100対0はあり得る」
優先道路と非優先道路が交わる交差点において、2台の車が衝突する交通事故が起きたとします。非優先道路から優先道路に右折して出てきた車が徐行
していなければ、その右折車が100%の責任を負うことになります。よって優先道路を走行していた車の過失割合は0です。
「駐車中の車にも過失が認められることがある」事故現場がどういった状況だったのか、双方の車はどんな状態だったかなどを考慮して、駐車車両にも過失が認められる場合があります。過去には駐車禁止の場所に夜間駐車していた大型自動車に原動機付自転車が追突し、駐車していた大型自動車に35%の過失割合が認定されたことがありました。事故現場の明るさや天候、時間帯、一般道かどうかなど様々な状況を考慮することで過失割合は変わります。
また、違法駐車かどうか、ハザードランプ・テールランプを点滅させていたかどうかなど車両の事情も考慮されます。
「過失割合で賠償金額は大幅に変わります」交通事故の損害賠償交渉において、過失割合は非常に重要です。金額が大きく変わることもあります。加害者側が主張してきた過失割合に疑問を持たれている場合には、お気軽にご相談ください。