休業損害における収入
休業損害とは、事故の影響で働くことができなかったことによる収入の減少のことです。この時の「収入」について、特に個人事業主の方が誤認しているかもしれないことについてお話します。
休業損害の算定は、事故に遭遇する前の確定申告書で申告した収入を基準として行います。この時、「収入」とは経費を差し引いた所得のことだと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
休業損害の考え方は一つではありませんが、裁判例の中には、経費の一部を合わせて収入とし、休業損害の計算をしたものが多くあります。
経費には営業をしていなくても発生するもの(固定費)があります。例えば、店舗の家賃は休業中も支払わなければなりません。これは無駄に支払わされた費用として相手方に請求したいと思われる方が多いかと思います。裁判例では、このように無駄に支払うことになってしまった経費についても損害と認め、「収入」として計算することを認めました。
今回は休業損害の「収入」について取り上げましたが、賠償の世界には様々な考え方があります。どの見解をとるのかによって賠償金額が大幅に違ってくることもあります。
そして、保険会社から提示された金額は弁護士から見ると適正とは思えないことが多いです。納得のいかないことや不安なことがある場合にはどうぞお気軽にご相談ください。