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保険会社任せにする危険性

「実際にあった交通事故の例」

 学生時代の友人が交通事故に遭遇したということで、先日その友人の相談に乗っていました。平成28年11月頃にあった事故です。友人は前方に車が停車していたのでその車に続いて減速し、停止しました。そして追い越した方がいいか様子を伺っていました。すると前方の車が突然バックし、逆突してきたということです。そしてこの交通事故について修理費等の車両の損害についてもめているということでした。
 停車中の事故ですからもめる必要はないはずです。理由を聞くと、保険会社の誘導に乗ってしまい、友人が前方の車を追い越そうとして、友人から前方の車に追突するという事故態様にされているようでした。友人は「追い越した方がいいか様子を伺っていた」のですが、保険会社の誘導により「追い越そうと思っていた」「追い越そうと動き始めていた」という様に変えられていったのだろうと推測されます。
 この事故において友人の過失はないはずです。しかし友人から前方の車に追突したとなれば友人の過失が100となってしまいます。修理費の全額を自己負担しなければなりません。長い付き合いのある、温厚な性格の友人なのですが、今回は強く注意しました。

「加害者側の保険会社は対立当事者です」

 加害者側の保険会社は、優しく接してくるので被害者の味方の様に見えるかもしれません。しかし味方ではないので注意が必要です。色々な情報を聞き出して、保険会社が支払う賠償金を下げようとしてきます。そして保険会社に有利である情報を聞き出した時には、急に徹底的な攻撃を開始するのです。もちろんそうでない保険会社もあるでしょうけれど、長年の弁護士としての経験から、一部にそういう保険会社、担当者がいることは間違いありません。
 その友人が遭遇した交通事故については、友人の過失は1割、相手方の過失が9割で車の修理費について示談がまとまったということです。友人が弁護士費用特約に入っていなかったので、私が介入することはできませんでした。しかし友人が加入する保険会社の担当者が対応することで、友人の過失をなんとか1割に抑えたようです。それでも友人の車の修理費について1割は減額されますし、相手の車の修理費の1割は友人の負担となります。友人の過失が0にできた場合に比べたら経済的な損失は大きくなりました。(友人が加入する車両保険で修理費について保険金で賄うことはできますが、毎月の保険料が上がってしまいます)。

「保険会社に任せきりにするのは危険です」

 今回の例を見ると、保険会社任せにするのが怖いことだとよくわかります。友人の許可も得てご紹介させていただきました。その友人は現在整形外科に通院中です。また次の機会に、人身の損害(慰謝料や後遺障害逸失利益)についてもご紹介させていただければと思っています。まずは、交通事故に遭遇した時に保険会社任せにするのは危険であることを覚えておいていただきたいと思います