1.定年退職と離婚

「これまで平日は毎日仕事があり、朝晩しか顔を合わせることがなかったのに、定年退職を機に毎日ずっと同じ空間で生活をしなければならない‥」というように、定年退職によって夫婦の生活は一変します。どんなに仲の良い夫婦であっても、過ごす時間が増えれば些細な事で不満が溜まるものです。また、パートナーがモラハラ気質であれば、24時間気を休めることができないでしょう。現に、四六時中一緒にいることのストレスに耐えられず、定年退職を機に離婚を考えるご夫婦は少なくありません。

実際、定年退職を機に離婚することは好タイミングともいえます。なぜなら、一般に、退職金の支給等も相まって夫婦の財産が最も多い時点といえるからです。生活費等で消費されてしまう前に清算することで、離婚後の生活がより豊かで過ごしやすいものになると思われます。そのほか、定年退職する頃にはお子様がすでに成人し、社会人として独立していることが多いため、幼いお子様がいらっしゃる場合よりも離婚に踏み切りやすく、また養育費や親権等が問題にならないというメリットがあります。

2.財産分与が問題となりやすい

他方、定年退職を機に離婚する場合、とくに「財産分与」が問題となりやすいといわれています。多くの場合、定年退職時ですでに婚姻期間が20~30年に及んでいることと思われますが、婚姻期間が長くなれば長くなるほど、清算すべき財産が膨大になるからです。また、定年退職に伴う離婚は往々にして「退職金」の問題も付きまとうという点で、問題はさらに複雑となります。なぜなら、支給時期によっては退職金が分与対象になるか否かが問題となり、さらに分与対象になるとしても、満額が対象になるか、分与割合をどうすべきかという点をめぐって争いとなることが予想されるからです。

他方、自宅については定年退職時点ですでに住宅ローンが完済している、もしくは残りわずかであることが多いため、どちらが残ローンを負担するかという点は問題となりにくいと思われます。しかし、長年住み慣れた家にどちらが今後も住み続けるかという点では、なお争いとなることが予想されます。

3.離婚を迷っている方へ

毎日同じ空間にいることが「苦痛・耐えられない」と思ったら、離婚を現実的な選択肢として考えてみてください。なぜなら、その状況は今後何十年もずっと同じように続き、変化が訪れることは少ないと思われるからです。

ただその際、先にも触れましたが、財産分与が問題なることが予想されます。分与対象が多岐にわたるだけでなく、退職金の問題をどうするか、また自宅不動産の評価額をどのような方式で算定するかによって、結果的には数百万単位での差が生じることも大いにあり得ます。そのため、悔いのない離婚にするためにも、早い段階で法律のプロである弁護士にご相談することをおすすめします。

定年退職は人生にとっての重要な節目ですが、夫婦にとっても大きな分岐点であると思います。残りの人生を悔いなく過ごすためにも、まずは一度当事務所にご相談してみてはいかがでしょうか。

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