年金分割とは

年金分割の前提として、公的年金制度について説明いたします。
日本の公的年金制度において、いわゆる現役世代(20歳から定年まで)は、1号ないし3号被保険者として年金保険料を負担します。

1号被保険者 2号被保険者 3号被保険者
年金の種類 国民年金 国民年金+厚生年金 国民年金
代表例 自営業者・大学生 会社員・公務員 専業主婦(夫)
負担額 定額
1月当たり1万6590円
収入比例
月給(標準報酬月額の18.3%)
負担なし
(2号被保険者が負担するという建前)
給付額 6万4816円
(40年間満額納付した場合)
21万9593円
(平均的な収入の夫婦2人が受け取る額)
6万4816円

年金負担・給付イメージ

年金負担・給付イメージ

※額や率は令和4年度時の数字です

2号保険者(会社員・公務員)として保険料を多く負担すると、老後にもらえる年金も多くなります。一方で自営業者や扶養下の主婦等の方は、保険料の負担額が一定額で少ない代わりにもらえる年金も少なくなります。
会社員の夫と専業主婦の妻、という組み合わせを想定した場合、夫は多く保険料を負担して年金も多くもらえるのに対し、家事・育児を多く負担していた妻はもらえる年金が少なくなる、という状況になります。しかし、働いている夫と家事育児をする妻でもらえる年金額に差が出てしまうのは、老後も婚姻を継続するならともかく、離婚した場合は不平等な状況となります。

こうした離婚時の年金に関する不平等を解消できる制度が、年金分割となります。
年金分割において按分割合を定めると、実際に負担した年金額とは関係なく、按分割合に応じて保険料を負担したとみなされます。

年金分割前

年金分割後

以上、年金分割の制度を簡単にご紹介しました。
年金分割については合意分割と3号分割の2種類があります。詳しくはこちらをご覧下さい
年金制度自体が難解であるうえに、年金分割自体の効果もわかりにくい面があります。
しかし、年金はご自身の老後を支える重要な制度です。特に家事・育児を負担していた側の方は年金分割を求める利益が大きいです。
離婚時の年金分割について不安がある方は是非一度ご相談下さい。

初回相談は60分無料で、ご来店のほか来所が困難な方は電話やZOOMを利用したオンライン相談も受け付けております。まずはお電話にてお問合せください。0120-100-129

年金分割の対象

年金分割の対象

日本の年金構造における2階部分にあたる【厚生年金保険(会社員や公務員が加入するもの)】が主な対象となります。

※1階部分は国民年金保険で、20~60歳までの全ての人が加入するものです。もし、配偶者が自営業で、国民年金だけの加入だった場合には、年金分割をすることはできません。
※日本の年金構造については、こちらをご参照ください。

何を分割するのか

勘違いされがちですが、将来受け取れる年金そのものを分割するのではなく、婚姻期間中に納めていた厚生年金保険の『納付記録(標準報酬)』を分割するのが、年金分割です。
つまり、婚姻中に配偶者が納めていた厚生年金保険料の一部分を、自分が納めたことにするための手続きと言えます。結果、自分の納付記録が増えることになりますので、将来受給できる年金が増えるということになります。

分割方法

(1)合意分割

下記に記す条件を満たした場合、当事者二人またはその一人からの請求を受けて、手続きをすることができます。

条件

  1. 婚姻期間中に、厚生年金(共済年金含む)の納付記録があること
  2. 当事者同士の按分割合についての合意、もしくは裁判手続による按分割合の定めがあること
    ※基本的な按分割合は0.5であり、それ以下になることは極めて稀です。
  3. 離婚をした日の翌日から2年以内の請求であること

(2)3号分割

専業主婦の方が対象。自分が国民年金第3号被保険者期間中だった時の、配偶者の厚生年金保険の記録を2分の1ずつに分割します。配偶者の合意は必要ありません。

条件

  1. 平成20年4月1日以降に国民年金第3号被保険者期間があること
  2. 離婚をした日の翌日から2年以内の請求であること

年金分割と合意分割の違いについて

合意分割は、夫婦の片方が2号被保険者(会社員や公務員)の場合に利用できます。
3号分割は、夫婦の片方が2号被保険者(会社員や公務員)でもう一方が3号被保険者(専業主婦(夫)など)である場合に利用できます。

公的年金や年金分割自体についてはこちらをご参照ください。

年金分割には合意分割と3号分割の2種類があります。
違いは以下の表のようになります。

合意分割 3号分割
請求する人 第1号被保険者
第2号被保険者
第3号被保険者
第3号被保険者のみ
(第3号被保険者だった期間があればよい)
請求を受ける人 第2号被保険者
(加入期間があればよい)
第2号被保険者
(加入期間があればよい)
合意は必要か 審判・裁判による場合以外は必要 不要(強制的に分割できる)
按分割合 双方の標準報酬総額から計算される下限~0.5 0.5
対象期間 制限なし 平成20年4月1日以降の婚姻期間
のうち、請求する人が第3号被保険者期間だった期間
請求期間 離婚の翌日から2年以内 離婚の翌日から2年以内

合意分割は、夫婦のどちらかが第2号被保険者(会社員・公務員)として厚生年金に加入している場合に利用できる制度です。
按分割合は、範囲内であれば当事者の合意で自由に定められますが、下限については年金事務所から「年金分割のための情報通知書」をお取り寄せください。
年金分割請求は、離婚日の翌日から2年以内に行う必要があります。
より詳細な情報は、日本年金機構のホームページをご確認ください。
https://www.nenkin.go.jp/faq/jukyu/kyotsu/rikonbunkatsu/index.html

3号分割は、第3号被保険者(専業主婦(夫))が第2号被保険者期間のあった配偶者に、その期間のみ相手の合意なく按分割合を0.5として分割できる制度となります。
合意分割と同様に、離婚日の翌日から2年以内に行う必要があります。
より詳細な情報は、日本年金機構のホームページをご確認ください。
https://www.nenkin.go.jp/faq/jukyu/kyotsu/3go-bunkatsu/index.html

両制度は併存する関係にあります。

年金分割と合意分割の違いについて

結婚後、妻は子どもが大きくなるまでは3号被保険者子どもが大きくなって本格的に仕事に復帰して2号被保険者になったとします。
3号被保険者(専業主婦)だった期間は、3号分割請求により夫との合意なく按分割合を0.5とすることができます。
妻が2号被保険者(会社員・公務員)となった期間は合意分割のみが可能という期間になります。
したがって、婚姻期間全体について合意で按分割合を定める合意分割をすることもできますし、専業主婦期間については3号分割をして仕事に復帰したあとの期間については合意分割をする、という両制度を併用する方法をとることもできます。

以上、合意分割と3号分割をご紹介しました。
年金はご自身の老後を支える重要な制度ですが、離婚時の年金分割には離婚の翌日から2年以内という請求期限があります。
離婚時の年金分割についてご自身にとってどのように行うのか最適なのか悩んでいる方は、是非一度ご相談下さい。

初回相談は60分無料で、ご来店のほか来所が困難な方は電話やZOOMを利用したオンライン相談も受け付けております。
まずはお電話にて、ご連絡ください。0120-100-129(平日9時~18時受付)

最後に

最後に

年金分割を積極的に行うべきなのは、①専業主婦だった方②扶養範囲内でパート勤務だった方です。特に熟年離婚を考えている方は、年金分割が大きな関心ごとの1つだと思います。手続きなども含めて、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

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