熟年離婚
熟年離婚は、長年連れ添った夫婦がさまざまな原因で離婚に至ることを言います。
実際に、当法律事務所でのご相談件数も近年増加傾向となってきており、もはや、『熟年離婚』は、珍しいことではなくなってきています。
お子さまは成人していることが多く、養育費の受け取りなどは見込めません。また、ご本人自身が高齢であるが故に、働きに出て生活費を確保することが容易ではありません。
そのため、「財産分与」や「年金分割」の方法により、皆さまの離婚後の生活資金を確実に確保することが不可欠です。
財産調査のあれこれ
弁護士に相談する前に、夫婦で築いた共有財産が整理されていると、スムーズかつ正確なご相談となります。
預貯金
常日頃から夫婦の懐事情を把握できていれば問題はありませんが、どの銀行に口座があるのか、名義はだれのものか、残高はいくらぐらいなのか、など突然聞かれても答えられないという方は少なくありません。
別居してからでは知りたい情報すら得ることができなくなりますので、離婚を切り出す前に、最低でも銀行名と支店名が解っておけば、弁護士の職権で履歴や残高などの調査ができます。
不動産
二人で購入した家や土地がある場合、まずは、住宅ローンなどが残っているのか否かを確認し、残っている場合には、現時点での残高や残りの支払い期間まで調べておきましょう。
次に、現在価値を知るために、不動産会社数社から簡易査定(費用は掛からない場合が多いです)を受けておくとよいでしょう。併せて、固定資産評価証明書を役場で取得しておきましょう。
退職金
- 退職金が支払済みの場合
通帳などを確認し、支払済みの金額の総額を明確にしましょう。 - 退職金が支払前の場合
仮に現時点(既に別居している場合は別居時点)で退職した場合の退職金額を、勤め先に確認してください。(結婚前から勤め先が変わらないのであれば、結婚時に退職していた場合の退職金額まで分かれば理想的です。)
年金分割
年金分割は、婚姻期間中に納めていた厚生年金保険の『納付記録(標準報酬)』を分割することです。勘違いされがちですが、将来受け取れる年金そのものを分割するわけではありません。
詳しくは、こちらの年金分割ページをご参照ください。
最後に
婚姻期間が長い夫婦ほど、二人で積み上げてきた財産は多くなります。離婚となれば、その財産をどのように分け合うかを決めるだけでも一苦労です。そういった手続きを円滑に行うためには、弁護士の協力が必要不可欠となってきます。
豊富な法律知識と数多くの経験をもつ当法律事務所の弁護士に相談し、安定した老後の生活を手に入れましょう。